著者は、2005年からライブドアの監査を担当した監査人である。ずさんな会計を何とか改善しようと孤軍奮闘したが、時はすでに遅かった。著者が所属していた監査法人の前任者による甘い監査が、ライブドアの経営陣を暴走させてしまったのである。この本を読むと、一般企業の倫理だけではなく「監査法人」「上場企業」「会計士など専門職者」に必要な倫理とは何かが具体的によくわかる。
最初は「自己弁護の本だろう」と思っていたが、読んでいるうちに、著者の嘘ではない真摯な姿が伝わってきた。監査の手順や流れも信頼がおける。(私も会計監査をしたことがあるし、監査を受けたことがあるのでわかる)「この人は誠実に自分の職務を全うしたかったのだ」と感じた。出版したのも説明責任を果たしたかったからなのだと思う。
ライブドア事件は、直接は著者に責任がなかったが、自らケジメをつけるために会計士資格を返上したという。今、どうされているのか気になって、ブログを探したらお元気そうなので安心した。


